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【Mstar-Archive-260910】 T-ARAの「Bo Peep Bo Peep」他4曲

ミュージックアーカイブ79

■ Bo Peep Bo Peep - 中毒性のあるサビと電子音、T-ARAを代表する初期ダンスポップトラック by T-ARA

2009年にデビューしたT-ARAは、大衆的なフックメイキングと独特なコンセプトのパフォーマンスを武器に、K-popダンスミュージックの全盛期を牽引した代表的なグループである。初期の6人組からスタートし、幾度かのメンバーチェンジを経て、現在はキュリ、ハム・ウンジョン、ヒョミン、ジヨンの4人組で活動しており、2024年のデビュー15周年には完全体での集まりやファンミーティングなどを通じて、変わらぬ存在感を示した。

その代表曲の一つが、1stフルアルバム『Absolute First Album』のタイトル曲「Bo Peep Bo Peep」である。シンサドンホレンイとチェ・ギュソンが作曲し、Zoppが作詞したこの曲は、怒った彼氏をなだめる女性の気持ちを、猫を連想させる手の動きと組み合わせ、強烈な印象を残した。

「Bo Peep Bo Peep」の魅力は、シンプルかつ強力なフックを楽曲の中心に据えた点にある。128 BPMの速いテンポに乗せてシンセサイザーのリフとエレクトロニックビートが緻密に配置され、その上でメンバーの短いボーカルフレーズが繰り返される。

特にサビの「Bo Peep Bo Peep」は、一つのメロディというよりも、一つのリズムパターンに近い役割を果たしている。短く区切られた音節と繰り返される発音がパーカッションのようにビートの間に入り込み、ボーカルそのものが曲のグルーヴを形作っている。華やかな歌唱力を前面に押し出すのではなく、覚えやすい音節と反復構造を選んだことが、むしろこの曲の中毒性を最大限に高めている。

結局、この曲においてフックは「歌う部分」であると同時に、「演奏される部分」でもある。声がメロディを超えてリズムの一部となった瞬間、大衆音楽の一節は強力なパフォーマンス言語へと変わる。


■ SNEAKERS - 重厚な低音の上を青春が駆け抜ける by LUN8

Fantagio所属のボーイズグループLUN8の2ndミニアルバム『BUFF』のタイトル曲「SNEAKERS」は、定型化された枠組みから抜け出し、自分の夢に向かって自由に突き進もうというメッセージを込めたポップダンス曲である。特にタクマ、ジュヌ、イアンがポイントダンスの制作に参加し、靴を指さしたり、払うような動きを取り入れたりすることで、曲のテーマとパフォーマンスを直接結びつけた。

130 BPMのスピード感あふれるこの曲は、低域と高域のコントラストが印象的である。導入部のFMスラップベースのリフが弾力のある動きを生み出し、その下に808ベースとトラップドラムがずっしりとした低域の中心を作り出す。そこにホイッスルやストリングス系の明るいサウンドが加わり、上下のレンジが鮮明に分かれた立体的な音響構造を形成している。

その中で、LUN8の清涼感のあるボーカルは、単にメロディを歌う役割にとどまらない。重厚な低域を突き抜けて上へと伸びていく明るい音色そのものが、曲の空間を広げる役割を果たしている。

つまり、「SNEAKERS」におけるボーカルは、低域の重さに対抗するもう一つの音響的な軸なのだ。808ベースが地面をしっかりと捉えているなら、清涼感のあるボーカルはその上で自由に跳ね回る。曲が伝える「自由に駆け抜ける青春」というメッセージが、サウンドの上下構造の中でも自然に具現化されている理由が、ここにある。


■ WICKED GAME - 6つの音色が一つの世界を創る by USPEER

MWエンターテインメント所属の6人組ガールズグループUSPEERの「WICKED GAME」は、2026年6月に発表された1stミニアルバム『Bite District』のタイトル曲である。ソイ、チェナ、ダオン、シアン、ソユ、ロアで構成されるUSPEERは、シネマティックな世界観と音楽的な個性をベースに、自分たちだけのカラーを築き上げている。

126 BPMの安定した流れを持つ「WICKED GAME」は、タイトルから連想されるダークな雰囲気よりも、茶目っ気のある、少し意地悪な愛情を音楽で表現している。見習いキューピッドという設定を活用し、相手の心を掴もうとする少女たちの可愛らしくも率直な気持ちを描き出すアプローチだ。

サウンドもまた、こうした感情を映し出している。夢幻的なシンセサイザーと柔らかな音響空間をベースに、各メンバーの異なる音色が次々と重なり合う。誰かの声が別の声を圧倒するのではなく、それぞれのカラーを保ったまま幾重にも積み重なり、一つのサウンドスケープを創り上げている。

ここで重要なのは、「6人が歌っている」という事実そのものではなく、6つの音色が一つの楽器のように機能しているという点だ。

それぞれのボーカルが持つ微細な質感や温度差が、シンセサイザーの音色変化のように作用し、そのレイヤーが曲に深みと立体感を与えている。「WICKED GAME」は、ボーカルを一つの旋律として聴くよりも、複数の色が重なり合う音響的な風景として捉えることで、より一層興味深い楽曲となる。


■ Hands Up - “Hands Up”という一言がビートを動かすとき by Turbotronic

ボーカルは必ずしも「歌」である必要はない。エレクトロニック・ダンス・ミュージックにおいては、1〜2小節ほどの短い掛け声だけでも、曲全体のエネルギーを動かすことができる。

Turbotronicは、グローバルなエレクトロニック・ダンス・ミュージックやバウンスを中心に活動してきたプロデューサー兼DJであり、直感的なリズムと強い推進力を前面に押し出したトラックをコンスタントに発表してきた。2025年に公開された「Hands Up」もまた、こうしたプロダクションスタイルをよく表している。

132 BPMの速いテンポと約2分6秒という短いランニングタイムを持つこの曲は、複雑なストーリーテリングよりも、即座にエネルギーを伝えることに集中している。プログラミングされた電子ドラムと反復的なシンセループが精密に噛み合い、短いボーカルフレーズがその上に強いアクセントとして置かれる。

特に「Hands Up」という掛け声は、一般的な意味での歌唱とは異なる。この声は感情を繊細に伝えるというより、聴衆に特定の動きを促す。手を挙げ、ビートに身を委ね、音楽に反応させる、いわばDJによるパフォーマンス上の指示として機能している。

この瞬間、声は再び楽器となる。ただし今回は、ドラムのようにリズムを刻む楽器ではなく、人間の身体を動かすリズム装置だ。音楽を聴くことと音楽に反応することの間の距離を極限まで縮めることが、この曲最大の魅力である。


■ LOVE ME DO - ギターとブラスの間で声が輝く by ASC2NT

大国男児出身のメンバーであるガラム、インジュン、ジェイに、レオンとカイルが加わって結成された5人組グループASC2NTは、2024年5月にデビューシングルアルバム『Expecting Tomorrow』を発表した。タイトル曲「LOVE ME DO」には、自分を阻む限界や壁を乗り越え、人生の主人公になるというメッセージが込められている。

ミディアムテンポで進行するこの曲は、生楽器の質感とエレクトロニックな音楽プロダクションを併用している。リズミカルなギターとベースが曲の中心を支え、サビへと移行するにつれてシンセブラスが力強く登場し、曲のエネルギーを広げていく。

こうした構造の中で、ボーカルはギターとシンセブラスの間をつなぐ役割を果たしている。力強いメインボーカルが前面でメッセージを伝え、その後ろに重なるバックグラウンドボーカルがサウンドに広がりを与える。

特にサビに向かって楽器のエネルギーが増していくにつれて、ボーカルもまた幾層にも広がり、「限界を超える」という曲のメッセージを音楽的に支えている。

「LOVE ME DO」が興味深いのは、ボーカルがビートの上に乗るのではなく、ギターやシンセ、ベースとともに一つの推進力を生み出している点にある。有機的な楽器演奏とエレクトロニックなサウンドの間で声がバランスを取り、曲の高揚感を完成させている。


■ Conclusion : 5つのアプローチで声がリズムになるプレイリスト

今回のプレイリストに収録された5曲は、エレクトロポップ、トラップダンス、ドリームポップ、クラブバウンス、ミディアムテンポポップに至るまで、ジャンルのスペクトラムや物語的な背景がそれぞれ異なっている。しかし、これらを一つに結びつける独自のサウンド上の共通項は、ボーカルを単なるメロディを歌うための道具に閉じ込めず、トラックのリズムや質感、空間感を直接形作る造形的な楽器として捉えている点にある。

T-ARAの「Bo Peep Bo Peep」では、ボーカルの音節一つひとつがパーカッションのように分節され、電子音のビート上にパーカッシブなループとして重ねられている。LUN8の「SNEAKERS」では、重厚な808ベースとトラップビートの重みを清涼感のあるボーカルのトーンが引き上げることで、空間的な開放感を演出している。USPEERの「WICKED GAME」は、6人のメンバーそれぞれの異なる音色を水彩絵の具のように重ね合わせ、感情的なサウンドスケープを描き出している。Turbotronicの「Hands Up」は、掛け声スタイルのDJボーカルフレーズを通じて、ビートのドロップとダンスフロアのエネルギーを直感的にコントロールしている。さらにASC2NTの「LOVE ME DO」は、生ギターとシンセブラスという対照的な質感の間にメインボーカルとバックグラウンドコーラスのレイヤーを作り、メッセージの堂々とした立体的な高揚感を完成させている。

結局のところ、今回のプレイリストが志向する音楽的エッセンスは、エレクトロニックなプロダクションの精密さの中に人間の声が有機的に介入し、リズムの建築学を完成させることにある。声がリズムとなり、リズムが再びアーティストのキャラクターであり、独創的なエネルギーとなるこのサウンドの融合は、聴き手に単なる聴覚的な楽しさを超えた身体的な反応を引き起こし、生き生きとした音楽体験をもたらしてくれる。