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【Mstar-Archive-260923】 WEiの「Too Bad」他4曲

ミュージックアーカイブ33

■ Too Bad - 好きという気持ちを隠そうとするほど愛らしくなる、初恋の瞬間 by WEi(ウィーアイ)

 

 

WEiの4thミニアルバム『Love Pt.1 : First Love』のタイトル曲「Too Bad」は、好きな人に気持ちを伝えたいのになかなか言い出せない、初恋のときめきを描いた曲だ。「ただ空がきれいだから」「たまたま花が君に似ているから」という可愛い言い訳のように、不器用な告白の瞬間を明るく軽快なポップサウンドで表現している。

曲の中心には、印象的なベースラインとファンキーなギターリフが据えられている。重く押し付けるのではなく、軽やかに弾むグルーヴが曲全体を引っ張り、「Too bad」と「Na na na」が繰り返されるサビは、一度聴くだけでも口ずさみたくなるほどキャッチーだ。

ボーカルも、パワーを誇示するというより、爽やかで少年らしい音色を活かす方向で構成されている。メンバーたちが短いフレーズを受け渡すように歌い、サビで声が重なり合うことでエネルギーを高めていく。チャン・デヒョンが参加したラップメイキングも自然にリズムの中へ溶け込み、曲の軽快な流れをつないでいる。

「Too Bad」の魅力は、初恋を大げさに表現しないところにある。好きという言葉を直接伝えられず、周りのきれいなものを言い訳にしてしまう。そのぎこちなさこそが、かえってこの曲を愛らしくしている。

 

 

 


■ EENIE MEENIE (Feat. ホンジュン(ATEEZ)) - 選択の瞬間を軽やかに、そして堂々と楽しむダンスポップ by チョンハ

 

 

チョンハの「EENIE MEENIE」は、他人の視線や決められた基準に振り回されるのではなく、自分の心が導くままに選ぼうというメッセージを込めた曲だ。重厚な低音とタイトなビートの上に、チョンハのクリアなボーカルが重なり、洗練されたパフォーマンス性の高いサウンドを作り上げている。

チョンハのボーカルは、この曲で特にリズム感が際立っている。短く区切ったフレーズと明瞭な発音、強弱の変化を活かしながら、ビートの上を軽やかに乗りこなしていく。サビでは強いアタック感を加え、曲の推進力をさらに高めている。

ホンジュンの参加は、曲にまた異なる色を加えている。チョンハがなめらかなポップボーカルでメロディーを引っ張る一方、ホンジュンはラップやスポークン調のボーカルでビートの間にざらりとした質感を生み出す。2人の異なる声色が、曲の緊張感を高める要素となっている。

シンセやエレクトロニック・パーカッション、重厚な低音がボーカルを支え、サウンドは複雑になりすぎず、クリアにまとまっている。この曲の魅力は、悩みながら選ぶ瞬間を重く捉えるのではなく、その瞬間そのものを楽しいリズムへと変えているところにある。

 

 

 


■ Tonight - 異なる声が一つのエネルギーとして重なり合う瞬間 by BLACKSWAN

 

 

BLACKSWANの「Tonight」は、2020年に発表された『Goodbye RANIA』のタイトル曲であり、電子音を中心としたダンスポップに夢幻的な雰囲気を加えたトラックだ。強いビートを基盤にしながら、シンセや電子音のダークな質感を活かし、独特の空間を作り出している。

イントロからエレクトロニックなサウンドが雰囲気を演出し、ドラムとベースが加わることで曲の動きが本格的に始まる。明るく軽快なダンスポップというより、少しダークで神秘的な質感が強く感じられる。

ボーカルは、複数のメンバーが短いフレーズを分け合うように歌いながら展開される。それぞれの声色が交差し、サビで複数の歌声が重なり合うことで、曲のスケール感を広げていく。一人のボーカルを長く聴かせるのではなく、多彩な声色をテンポよく見せていくのが特徴だ。

シンセベース、エレクトロニック・パーカッション、パッド系のサウンドが一定の躍動感を保ちながらボーカルを支えている。「Tonight」の魅力は、異なる声を一つの色に統一するのではなく、それぞれの声色を活かしたまま束ねることで、独自のグループエネルギーを生み出している点にある。

 

 

 


■ McNasty - ビートの上で自由に弾けるパク・ジェボムのフロウ by パク・ジェボム

 

 

パク・ジェボムの「McNasty」は、5曲の中でも特にダイレクトなヒップホップとクラブミュージックの感覚を持つ曲だ。強いキック、重厚なベース、エレクトロニック・パーカッションを軸に、シンプルながらもアタック感のあるグルーヴを作り出している。

この曲で最も印象的なのは、パク・ジェボムのラップだ。低く余裕のあるトーンでラップを紡ぎながら、特定の単語や音節を強く打ち出し、力を抜いて次の拍へと移っていく。韓国語と英語を行き来するフロウや、自然に差し込まれるアドリブも曲の面白さを引き立てている。

パク・ジェボムの声は、単に歌詞を伝えるだけにとどまらない。ビートの隙間を埋め、リズムにタメを作ったり、前へ進めたりしながら、一つのリズム楽器のように機能している。繰り返される「McNasty」のフックも、こうしたフロウと結びつき、強い印象を残す。

複雑な楽器構成よりも、キック、ベース、ラップのバウンスに集中したプロダクションも印象的だ。直感的な歌詞と遊び心のある雰囲気が相まって、音楽を分析するより先に体が動き出してしまうような感覚が、この曲の大きな魅力となっている。

 

 

 


■ トゥグンデ (Doogeundae) - 鼓動までも音楽にしてしまった、春の日のときめき by チャ・ドンヒョプ

 

 

チャ・ドンヒョプの初シングルタイトル曲「トゥグンデ(Doogeundae)」は、DRIPPINのチャ・ジュノ、キム・ドンユン、イ・ヒョプによる3人組ユニットの楽曲だ。NU-DISCOをベースに、アップテンポなリズム、きらめくシンセ、ファンキーなギターを組み合わせ、好きな人を思い浮かべたときのときめきを明るく表現している。

特に印象的なのは、タイトルの通り、実際の鼓動を連想させるサウンドだ。リズムに合わせて心音のようなエフェクトが加わることで、「ときめき」という感情が歌詞だけでなく、サウンドそのものからも伝わってくる。

ファンキーなギターとディスコベースが曲の軸を固め、シンセとアップテンポなドラムが明るい雰囲気を添えている。ギターは軽やかに弾み、ベースは絶えず動き続けることで、春の道を歩き出すような軽快なグルーヴを作り出す。

3人のメンバーのボーカルは、それぞれの声色を活かしながら、サビで一つにまとまっていく。特にイ・ヒョプは、これまでのハスキーなニュアンスを抑え、より若々しくキッチュな雰囲気を引き出すことに注力したと語っており、曲全体を通して軽やかで明るいボーカルカラーが際立っている。

メロディーも複雑ではなく、思わず口ずさみたくなるような親しみやすさを持っている。ギター、ベース、シンセ、鼓動、そして3人のボーカルが次々と溶け合い、タイトルの通り「胸が高鳴る」瞬間を音楽として表現した楽曲だ。

 

 

 


■ Conclusion : 異なる5曲、一つにつながるリズム

今回の5曲はジャンルや雰囲気こそそれぞれ異なるものの、ボーカルを音楽の重要な要素として活用しているという共通点がある。

「Too Bad」は爽やかなグループボーカルで初恋の瑞々しさを表現し、「EENIE MEENIE」はチョンハのクリアなボーカルとホンジュンのラップを対比させる。「Tonight」は複数のメンバーの声を重ねてグループならではのエネルギーを生み出し、「McNasty」はパク・ジェボムのラップを一つのリズムのように活かしている。「トゥグンデ」は3人の異なる声色を調和させ、ときめきを表現している。

演奏面でも、それぞれの曲が明確なカラーを見せている。「Too Bad」と「トゥグンデ」はギターとベースのグルーヴが軸となり、「EENIE MEENIE」と「Tonight」はシンセとエレクトロニック・パーカッションによって現代的なサウンドを作り上げる。「McNasty」はキック、ベース、ラップのバウンスを前面に押し出し、シンプルながらも力強いリズム感を生み出している。

初恋のときめきから自由な自信、そして胸の高鳴りまで、5曲はそれぞれの感情を独自のスタイルでリズムに落とし込んでいる。そしてその中心には、メロディーを届けるだけでなく、曲の雰囲気やエネルギーを生み出す「声」が存在している。