Club M Star

新聞

【Mstar-Archive-260903】AHOFの「RUN TO YOU」他4曲

ミュージックアーカイブ75

■ RUN TO YOU - 多彩なボーカルレイヤーで疾走する青春のときめきを直進させるアップテンポ・ダンス・トラック by AHOF (アホプ)

2026年7月8日に公開されたAHOF(アホプ)の3rdミニアルバムのタイトル曲「RUN TO YOU」は、タイトル通り、一人の人に向けて迷うことなく駆け抜ける青春の感情を音楽で表現した楽曲だ。157 BPMの早いテンポを中心にエレクトロニック・ドラムとシンセベースが絶えず推進力を生み出し、明るいシンセテクスチャが曲全体に爽やかで眩しい色彩を添える。EL CAPITXNやVendors(Arte)などが参加したプロダクションは、バンド音楽特有の疾走感とシンセポップの鮮明な質感を融合させ、スピード感あふれるサウンドを完成させている。

特に印象的なのは、9人のボーカルを生かした配置とレイヤリングだ。各メンバーの音色を素早く交差させて曲にダイナミズムを与え、プリコーラスでは複数の声が重なり合って緊張感をしっかりと引き上げていく。そしてサビに差し掛かると、個別のボーカルが一つの大きなエネルギーへと一つになり、「君に向かって走っていく」という曲の情緒が最も鮮明に爆発する。

リズムゲームでは、この構造がより直感的に伝わってくる。素早く続くドラムとベースが手をせかし、ボーカルの交差と団体のコーラスがプレイの高揚感を自然につないでいる。Master難易度では、この疾走感が単なる「早い曲」という印象を超え、音楽を自ら追いかけて走っているような緊張感として体感される。

興味深いエピソードは、この曲の魅力が「強く押し出すこと」だけに留まらない点だ。攻撃的なラップや荒々しい音色のかわりに、透明感のあるピュアなボーカルを何層にも重ねて疾走するときめきを表現している。そのため、「RUN TO YOU」のスピード感は、誰かを追いかける焦燥感というより、好きな人に向けて自信を持って駆け抜ける青春の高揚感に近い。


■ BEBE - シックなシングラップとファンキーハウスビートで完成させた堂々たる自我の宣言 by STAYC(ステイシー)

STAYC(ステイシー)の5thシングル『S』のタイトル曲「BEBE」は、キュートで愛らしいイメージに留まらず、鏡に映った「本当の自分」を堂々と描き出す楽曲だ。125 BPMのファンキー・ハウス(Funky House)をベースに、タイトなキックとエレクトロニック・パーカッション、低音域を満たすシンセベースが反復的に噛み合い、ダンサブルな推進力を生み出している。ラド(Rado)やFLYT、will.bなどが作曲に参加し、チョングンが作詞を手掛けたこの曲は、ハウス特有のリズミカルな反復を活かしつつも、ボーカルの態度に変化を持たせることで一味違う印象を残す。

「BEBE」で最も興味深い点は、ボーカルを一つのメロディー楽器というより、リズムを構成する要素のように活用している点だ。文末を長く引き延ばすのではなく、短く鋭く言葉を投げかけるようなトーク風の発声とシングラップ(Sing-Rap)がビートの隙間を鋭く切り込み、メンバーたちの鮮明な音色が次々と交差して曲に表情をプラスする。特にボーカルの間を埋めるシンセと、ドロップで広がる空間感は、リズムの密度と余白を効果的に対比させている。

リズムゲームでは、125 BPMの安定したテンポと反復的なハウスビートがプレイの基本拍子をしっかりと捉えつつ、短く切れ込むボーカルフックが入力ポイントに鮮明な印象を残す。Expert難易度では、速さそのものというより、ビートとボーカルが織りなす微細なリズムの変化が曲の面白さを引き立てる要素となる。

結局、「BEBE」の魅力は華やかに吐き出すことにあるのではない。積極的に空間を埋める伴奏の上でもボーカルの存在感を失わず、キュートなイメージからシックな佇まいへと変化するSTAYCならではの態度とキャラクターをリズム自体に刻み込んだという点が、この曲を一層洗練されたものにしている。



■ ロリン (New Version) - ムンバートンリズムと感覚的なサックスでre-frameしたトロピカル・ダンス・サウンド by ブレイブガールズ

2018年8月に新しくアレンジされたブレイブガールズの「ロリン (New Version)」は、原曲のトロピカルハウスの感性をベースに、ムンバートン特有の弾力あるリズムを加え、一段と強烈な夏の盛り上がりを完成させたトラックだ。125 BPMの安定したテンポの上に、重厚なキックとムンバートン・パーカッションが反復的に動き、身体的なグルーブを作り出し、トロピカルシンセが明るく爽やかな空間感を満たしている。

このバージョンで特に耳を奪う要素は、メロウ・キッチン(キム・ミョンギ)による生演奏のサックスだ。電子音中心の伴奏の合間に、生演奏ならではの有機的なサックスの音色が入り込むことで、曲により官能的で生々しい質感が加わる。繰り返されるシンセとビートの上にサックスが華やかに切り込んでくるたびに、曲のエネルギーが一段階ずつ上昇し、単なるダンス・トラックを超えた「夏の空気に身を委ねたくなる」サウンドを作り出している。****

ボーカルは、こうした伴奏の余裕を積極的に活用している。長くて複雑なメロディーを押し通すのではなく、短いフレーズと反復的なサビを中心に直感的なフックを形成し、メンバーたちの音色とハーモニーが自然に重なり合って中毒性を高めている。強い力で押し通す歌い方より、軽やかで余裕のある発声がムンバートン・リズムと調和し、曲特有の官能的な雰囲気を完成させている。

リズムゲームのExpert難易度では、125 BPMの絶え間ないビートがプレイの中心軸を捉え、繰り返されるボーカルフックとサックスのポイントが拍子感を明確にしてくれる。特にこの曲の面白さは、矢継ぎ早に攻め立てることにあるのではなく、途切れることなく続くグルーブに身を委ねながら、リズムとボーカル、楽器のポイントを一緒に感じるところにある。

結局、「ロリン (New Version)」の魅力は、単なる反復を退屈させないところにある。ムンバートン・パーカッションとトロピカル・シンセが広い舞台を作り出し、サックスがその上を自由に駆け巡り、ボーカルは短くて覚えやすいフックで中心をしっかりと捉える。シンプルな構造を弾力的なリズムと生々しい楽器演奏へと拡張させたこと、これこそがこのバージョンが長く愛され続けてきた最も強力な音楽的魅力なのだ。


■ JUMP - ヒップホップの重量感とオルタナティブ・ポップの昇華エネルギーがかみ合った爆発的パフォーマンス by P1Harmony

P1Harmonyの6thミニアルバム[HARMONY : ALL IN]のタイトル曲「JUMP」は、ヒップホップの重厚な低音域をベースに、オルタナティブ・ポップ・ダンスの躍動感を融合させたトラックだ。121 BPMの安定したテンポの上に808ベースとドラムが力強い推進力を生み出し、現実の悩みや迷いを振り払い、より高みを目指して一緒に飛び上がろうというメッセージを力強く伝える。

この曲の最大の特徴は、タイトルである「JUMP」をサウンドそのものの上昇構造そのものとして具現化した点だ。ヴァースでは低く重みのあるラップフローが808ベースとかみ合い、楽曲の土台をしっかりと固める。その後、プリコーラスに突入すると、メロディックなボーカルが前面に出てきて、重かった雰囲気を一時的にほぐし、まるで跳躍の直前に体を縮め、跳躍に備えるかのような緊張感を作り出す。そしてサビではシンセレイヤーと大合唱の掛け声が一気に拡張され、凝縮されていたエネルギーが爆発する。

特に、ラップとボーカルの対比が効果的だ。重く沈み込むラップが曲の重力を作り出すのに対し、スムーズに上昇するボーカルはその重力から抜け出す動きを表現している。ここにサビの集団的な大合唱(テチャン)が加わることで、個人の挑戦が「一緒に飛び上がる瞬間」へと拡大していく。

リズムゲームのExpert難易度でも、この構造が直感的に感じられる。121 BPMのビートは安定したプレイ軸を提供し、ヴァースのラップ、プリコーラスの上昇、サビの拡張されたサウンドが、セクションごとに鮮やかな変化を作り出していく。単なる速い曲というより、音楽が上へ突き抜けていく流れをプレイで追いかける面白さがあるトラックなのだ。

結局、「JUMP」はタイトルの意味を歌詞だけに留めない。低い低音域から始まり、メロディーとシンセ、そして集団ボーカルへと徐々に空間を拡張していくサウンド構造を通じて、「迷いを捨てて一緒に飛び上がる」というメッセージを聴覚的な動きとして描き出した楽曲だ。


■ Action (RMX) - オールドスクール・ヒップホップのビート上でそれぞれのキャラクターによりステージを制圧する荒々しいエネルギー by Block B

Block Bの2012年のリパッケージアルバム[Welcome To The BLOCK]に収録された「Action (RMX)」は、オールドスクール・ヒップホップの荒々しくストレートな質感を、Block Bならではの遊び心とエネルギーで再解釈したトラックだ。118 BPMの比較的余裕のあるテンポの上に、力強く叩きつけるキックとスネアが中心を捉え、反復的なリズムと掛け声のようなフックが加わることで、聴いた瞬間にステージのど真ん中に引きずり込まれるような臨場感を生み出す。

この曲で最も際立つのは、メンバーごとに異なるラップの質感が一つの流れとしてつながっている点だ。ZICOは攻撃的かつダイナミックなラップで曲全体の推進力を引っ張り、P.Oとパク・ギョンはスピーディーでストレートなラップと低く荒々しい音色でコントラストを生み出す。B-BOMBのラップとテイルの鮮明なボーカルは、こうした荒々しい質感の間に変化を与えつつ、ポップなアプローチと掛け声風のフックを結びつけている。

特に「Action (RMX)」は、ボーカルを完全に洗練された一つの合唱に仕立て上げるのではなく、複数のメンバーがマイクを次々と受け渡しながらステージの熱気を次々と引き上げていく手法を選んでいる。キックとスネアの力強い打撃感、ブレイク的なサウンド、繰り返される掛け声が互いにかみ合い、メロディーよりもメンバー一人ひとりのキャラクターとエネルギーが前面に浮き彫りになる。

リズムゲームのHard難易度では、118 BPMの安定した拍子がプレイの中心を捉え、力強く打ち込まれるドラムと反復的なフックが明確なリズムポイントを提供してくれる。猛スピードで攻め立てるというより、一拍一拍の打撃感をしっかりと体感しながらグルーブに身を委ねる楽しさが強い楽曲だ。

結局、「Action (RMX)」の魅力は、洗練された完成度よりも、制御不能とも思えるほどの自由奔放さを音楽的なパワーへと昇華させたところにある。メンバーたちの異なる音色とラップスタイル、シンプルながらも強力なビート、観客と一緒に叫べるフックが結合し、Block Bならではの荒々しくユーモラスなヒップホップエネルギーをそのまま見せつけてくれる。


■ 結論:打撃的ボーカルと空間的疾走が導き出すK-Popサウンドの新たな自我の表出

今回のMstarアーカイブでスポットライトを当てた5曲はそれぞれ異なるジャンルとスタイルを持っているが、その根底には一つの共通した流れがある。それは、ボーカルを単なるメロディーを伝える手段ではなく、リズムとエネルギーを生み出すサウンドの核心的な要素として活用している点だ。声は時にはドラムのように短く力強くビートを刻み、時にはシンセのように空間を拡張し、時には複数のメンバーの音色が重なり合って巨大なエネルギーへと変化していく。

最も低い118 BPMのBlock B「Action (RMX)」は、荒々しいラップと群衆の掛け声でステージの足場をしっかりと固め、121 BPMのP1Harmony「JUMP」は、重厚なラップから滑らかなボーカル、そして爆発的な大合唱(テチャン)へと続く上昇構造を作り出している。STAYC「BEBE」とブレイブガールズ「ロリン (New Version)」は、ハウスとムンバートンの弾力あるビートの上で短いボーカルフレーズと反復的なフックを活用し、リズム自体の中毒性を強化している。そして157 BPMのAHOF「RUN TO YOU」は、素早く交差する9人のボーカルと拡張されたコーラスレイヤーを通じ、この流れを最もスピーディーで華やかな疾走感へと押し上げている。

このように118 BPMから157 BPMへと続くスピードの変化は、単なる数字の増加ではない。荒々しいヒップホップのグルーブから始まり、ハウスとムンバートンの水平的な動きを経て、シンセポップの垂直的な疾走へと拡張していく一つの音楽的ジャーニーに近い。リズムが速くなるほど、ボーカルの役割もより積極的に変化し、リスナーは音楽を「聴く」だけに留まらず、まるでその空間の中で自ら動いているかのような感覚を体験することになる。

結局、今回の5曲が示すK-Popの魅力は、「美しく整えられた歌声」を超えて「動く声」を作り出しているところにある。打撃感のある発声、短く反復的なフック、異なる音色の交差、集団的なコーラスがドラムやベースのように機能しながら、音楽の空間を拡張していく。そしてそのエネルギーは、「他人が決めた自分」から脱却し、自ら選択し、動き、前へと進んでいく自己表現へとつながっていく。

声がビートになり、ビートが動きになること。今回のMstarアーカイブの5曲はまさにその地点で、現代K-Popが作り出した中毒的なサウンドと新たな自己表現のあり方を示している。